ポリタス 【統一地方選2015】から考える

ver.1.04 4月25日 15時00分更新

4月12日、26日は統一地方選の日。これに合わせて、ポリタス(http://politas.jp/)では『「統一地方選2015」私たちの選択』と題した特集がスタートし、以下の記事がアップされた。選挙までの時間的余裕がないため、かなり踏み込んだ要約を行ったものもある。以下の記事の内容は、単に今回の地方選に限らず、今後行われるすべての地方選挙にもあてはまり、長く読まれる価値のあるものだろう。

津田大介(ポリタス編集長):ポリタス特集企画『「統一地方選2015」私たちの選択』を開始します
http://politas.jp/features/5/article/355
一口に「統一地方選」と言っても、大雑把すぎてとらえどころのない存在である。地域によって、課題の中身も違えば、立候補者の事情も異なる。その中で、ポリタスがめざすのは、有権者に投票の指針――“ものさし”を提供することであると言う。

相川俊英地方自治ジャーナリスト):「選んではいけないNG候補」の見分け方 5箇条
http://politas.jp/features/5/article/356
相川氏はNG候補者の5つの条件を示す。
SNSなどで地元外の有力政治家や著名人との関係をアピールする候補者
②自分の手柄話ばかりする人や逆に自分の意見を言わない候補者
③自分の地元や支持団体、支持者にばかり目を向けている候補者
④公約が具体性に乏しくスローガンやポエムのような候補者、公約が総花的で、他からのコピペ候補者
⑤自分のビジュアルやイメージを前面に打ち出すことが中心の候補者
しかし、これらの条件を完全にクリアできる地方ばかりではないだろう。参考にしつつも、自分の内なるものさしと対話し、選択をより明確にするために活用されるべきだろう。

春香クリスティーン(タレント):地域の抱える課題なんてわからなくても大丈夫!
http://politas.jp/features/5/article/358
国政選挙と比べ、市区町村レベルの課題を特集しているメディアはほとんどない。春香クリスティーン氏は、子育てや雇用など自身の生活や人生に関わる可能性の高いテーマに絞って考えること、街頭演説で候補者の「ヒト」を見ることを提案する。

finalvent(ブロガー):統一地方選挙で問われている課題は戦後日本からの撤退戦略である
http://politas.jp/features/5/article/359
finalvent氏は、今回の統一地方選で問われているのが、「日本全域から日本という国を盛り上げていく戦略を大転換して、地方中核都市を拠点に地方自治体を整理・統合すること」であるとし、実体の伴わない「地方創生」の裏側の顔を暴く。

亀井善太郎東京財団ディレクター・研究員):雪解けの春からはじまる「食」――それを支える人の営み
http://politas.jp/features/5/article/360
「人口減少」「地方消滅」「地方創生」といった上から目線の言葉には、実際にそこに生きる人たちへの尊厳も、自らの食を支えていることへの感謝もない。本当に困るのは住民ではなく、地域住民が少なくなり支えてもらえなくなる地方議員や地方公務員たちではないのか。彼らは人口増加策を競いあうが、地域の暮らしをよりよいものにするものとは直結しないという亀井氏の言葉は痛切な響きを持っている。

小林節憲法学者):私は、地方選も国政選挙の一環として判断し投票している
http://politas.jp/features/5/article/361
他の議論とは逆に、憲法学者小林節氏は、国政に係わる各党に対する評価に従い、それぞれの系列下にある地方政治家に対する投票を決定することを一つの尺度として提示する。

田中秀臣上武大学ビジネス情報学部教授):「何を書こうかな」と考えあぐねてたら区議会議員がむこうからやってきた件
http://politas.jp/features/5/article/362
田中氏は、たまたま訪れた区議会議員とのやり取りの中で、地方選挙の現状や問題点を分析する。特定利権に走る一部の人間が選挙で優勢になろうとそれを容認してしまう多くの有権者の「合理的無知」の問題がそこにある。

佐藤哲也 (株式会社デザインルール 代表):もうこれで悩まない! アルゴリズムで投票先を決められる統一地方選
http://politas.jp/features/5/article/363
アルゴリズムで投票先を決める」とはどういうことだろうか。その眼目はネットを通じて有権者とつながる姿勢のある人を選ぶ、そして地方選挙は国会議員のオーディションの視点から、若い政治家を育てるの二点にある。

澤昭裕 (国際環境経済研究所所長):こんな地方議員はいらない
http://politas.jp/features/5/article/363
相川氏とはやや異なる視点から、澤氏はNG候補者の三つの条件をあげる。
1)反射神経だけで政策を語る「お調子者」
トレンドに便乗するだけの彼らの特徴は、ツッコミに耐えられない論点の浅さ、勉強不足にある。
2)問題解決に関心がない「運動家」。
地域のことは地域で解決する発想がない「陳情型」、反対運動のままで終わらせる「運動型」の双方ともNGである。
3)私財を投じることを避けまくる「ケチ」。
要するに、公職にあることを利して私財の蓄積に走っている候補者である。

吉田徹 (北海道大学公共政策大学院准教授):もし「2019年統一地方『無投票』選挙」にあなたが立候補するとしたら?
http://politas.jp/features/5/article/365
他人事のような地方選を身近なものにするため、吉田氏は地方議員になるためのハードルと待遇を提示しながら、自らが議員に立候補するというシミュレーション的発想を提案する。

千木良悠子 (小説家・女優・舞台演出家):声の温度——地方政治と平易な言葉
http://politas.jp/features/5/article/366
千木良氏は、自らが住んでいる世田谷区の難解なパンフレットの文面を『複合汚染』の著者、有吉佐和子の文章と比べながら、平易な言葉で伝えることの大切さを説く。文中で言及された三軒茶屋の駅前商店街が消えるとしたら本当に残念である。

古谷経衡 (評論家/著述家):地方議員なのに国政問題に忙しい「活動家議員」問題
http://politas.jp/features/5/article/368
澤氏の二番目のNG議員とも重なるが、古谷氏は、地域では到底解決できない国政レベルの問題に終始する活動家議員の是非を問う。東京や他の自治体にまで飛び回り、嘴を突っ込む余力があれば、地方に突っ込むべきではないかという正論である。

西田亮介 (立命館大学大学院先端総合学術研究科特別招聘准教授):「無音」の統一地方選、早急に政治と民主主義を理解するための「道具立て」の導入を
http://politas.jp/features/5/article/369
相乗りが多く対立図式がなく、無投票も少なくない。争点が明確にならないため、全国メディアで取り上げにくい結果、盛り上がらない地方選挙。そんな地方選挙を盛り上げるため、西田氏が提案するのは民主主義の学び直しである。

木村正人(在ロンドン国際ジャーナリスト):地域政党が政治の醍醐味をよみがえらせる――大阪都構想が問うもの
http://politas.jp/features/5/article/370
右派なのか、改革者なのか、保守でも核心でも評価が分かれる橋本市長の大阪都構想の中に、木村氏は地域政治の活路を見出そうとする。

遠藤薫学習院大学法学部教授):東京タワーのある街の「児童養護」政策――ネットでわかる“誠実な政治家”の共通点
http://politas.jp/features/5/article/371
遠藤氏は、政治家の試金石として、現在の日本で無関心であってはならない児童養護政策への関心、それに対する解答のし方、そして彼らにウェブサイトの中から、誠実な政治家の特徴を抽出しようとする。

駒崎弘樹(認定NPO法人フローレンス代表理事選挙に行きたくなる、美しすぎる統一地方選候補者リスト(色んな意味で)
http://politas.jp/features/5/article/372
タイトルは煽り気味だが、選挙に行かない人を振り向かせるための方便として割り切った記事で、内容は至って真面目。「筆談ホステス」の斎藤りえ氏や性同一障害の公表で注目を集めた上川あや氏など、9人の候補を紹介している。